日記袋
私が6月からブログを始め、ブログを書いた日分の袋を作った。袋には日付を入れた。
使いきれなかった布おむつを、中身を美味しく食べた後の栗の皮や玉ねぎの皮、コーヒーの飲みかす、近所で剪定していたピラカンサスで染めた。
最初『生きる』というタイトルにしようかと思った。私が毎日毎日を刻んで生きた分の日記袋。
作ろうと思ったきっかけは、あんあんの小さな大切な物を入れる袋や大事なものを入れておく箱を作ったりする布を染めて使おうと玉ねぎの皮を集め始めたこと。
作品展をすることになって、「見せる日記」にすることにした。
いつものブログを6月からプリントアウトして紙をたたんで袋に入れ、来た人がこの日はどうかなと袋から出して見てもらおうかと思った。
布は使え切れなかった布もむつにすることにして、まず栗で染め、袋を作り始めた。
袋を作っていく内になんだか袋に日記を入れるのは見にくいと思うようになった。
がもう袋を作り始めている。袋の中には何をいれるんだろう。なんとなく『あなたの思う日にあなたの何かを入れてください』と袋を買ったもらって、袋が減っていくのもいいかなと思ったり。
結局決まらないまま、展示の日がやってきた。
展示を手伝ってくれていた姉が「袋の中には何か入れるの」私「どうしようか迷っていて、入れずに買ってもらおうかな」姉が「それじゃ袋にした意味が無い」
その日の夜に来てくれた方に「あなたのなにかを入れてください」にすることに決めた。
搬出の日がきた。ついに日記袋を床におろした。
床に日付け順にきれいに並べた。来て下さった方で袋を見て、「生きてるって感じですね」と言って下さったのを思い出した。
その時そう思ってもらえたんだと喜び
その瞬間、作ってよかったと心から思った。
袋に入っている物を出してみた。袋の上から日付順に触って。
袋を開けるとふわーといい香りがした。
大切にとっておこう。
入れて下さった方にとっても大事な日、大切にとっておこう。